昭和38年11月11日 指定
生桑山千福寺の御本尊毘沙門天立像は、総高111.5cmの桧材寄木造りで、首は割矧ぎの技法を用い、頭部・胸部ともに、側面と中央に矧ぎ目がある。
首・肩などは、柄差であり、足・肘根なども割矧ぎで、足は柄で立っている。
半等身の大きさで、両手を曲げ、幾分、左に腰をひねり、左手には宝塔を捧げ、右手には三叉戟をもつ普通の形式の毘沙門天である。両肩には、龍頭をまとい、胸当・籠手・臑当・沓など克明に刻まれている。顔部は、瞋怒をふくみ、眉目・肉取りなども優れた巧みさで、天邪鬼の表現は真に迫っている。
現在では、彩色の剥落したところもかなりあるが、布張りした下地の上に粉彩色をほどこした本格的な制作になる像で、いかにも神将像らしい荘重で、威厳のある姿を示している。 鎌倉時代末期の作と推定されている。
平成13年3月
四日市市教育委員会
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