市指定無形民族文化財
生桑長松神社の大鏡餅神事 平成14年8月29日 指定
1月2日の早暁に、その年の当番宅(鏡宿という)床の間に供えられていた特殊な形状の大鏡餅を、一旦解体して長持に移し、新たに成人式を迎える青年団と消防団が担いで生桑長松神社に奉納し、本殿前に鏡宿と同様に飾り付けて神事を行う。新年を祝い一年の無事を祈る行事である。 もとは、東生桑にあった長松神社の神事であったが、天保九年(1838)、西生桑にあった生桑神社との合祀により現在の神社となって以後は、同神社にて受け継がれ、今に至っている. また現存の史料から、近世末期にはこの行事が既に存在したことがわかっている。 北勢地方に類例のないこの行事は、滋賀県(湖北地方)に分布する「オコナイ」と呼ばれる年頭の民族行事との共通点が多く、浄土真宗が北勢地方に伝播する以前に行われていた神事が形を変えつつも伝承されてきたものと考えられる、当地域では貴重な民族行事である。 平成15年3月 四日市市教育委員会