代官橋は、西坂部町を二分する二級河川海蔵川に架かり、右岸の川向と左岸の山之平二つの集落を結ぶ橋梁である。橋の名の由来は、旗本丹羽家の代官(領地の現地管理者。)が頻繁にこの橋を渡ったために名付けられたと伝わっている。
江戸時代約250年間を通して、西坂部村は、旗本丹羽家(一千石)の知行地であった。
丹羽家の代官屋敷が川向の覚照寺南辺りにあって、山之平の庄屋川島家との間を、この橋を渡って行き来したという。知行地の治世も旗本が管理していたため、この橋自体が丹羽家代官の監督下で、幾度か架け替えられたものと推察される。最近の架け替えは、昭和45年(1970年)に架けられた市道橋(橋長30,000mm幅員3,400mmのI型鋼橋梁であった。
現在の橋は、海蔵川の河川改修に伴い、平成17年(2007年)3月に架け替えられたものである。
新しい橋の完成を記念して、北詰にはかつて山之平の氏神・八幡神社跡にあった燈籠2基が移設された。
この一対の燈籠は、天保11年(1840年)に寄進されたもので、明治41年(1908年)八幡神社が江田神社に合祀された後、八幡神社跡と集会所前にそれぞれ1基設置されていたのである。
この付近は、里山も近くに残り、川の流れは緩やかで、水鳥や野鳥の観察もでき自然が豊かな憩の場所となっている。
《 西坂部領主旗本丹羽家に関しては、江田神社境内に顕彰碑がある。》
代官橋 平成17年3月 完成
橋長48,000mm 幅員7,000mm(下流側歩道付2車線)
設計荷重 A活荷重(大型車の通行頻度が比較的低い状況 を想定した荷重)
橋 種 PCホロースラブ桁橋梁
総工費 161,000千余円
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