生桑(   いくわ)水源地(すいげんち) 

四日市港の外国航路開設に伴い、船舶への給水施設の必要から、大正8年(1919年)「四日市給水株式会社」が設立され、ここ生桑町(旧三重郡三重村大字生桑)に四日市市初の水源地が設けられた。

 大正12年から給水を開始したこの水道は、船舶以外の民家への給水は僅か280戸ほどでそのころの市民生活は、ほとんどが井戸水に頼っていた。その後、衛生思想の普及から上水道の設置計画が持ち上がり、昭和3年(1928年)7月四日市市は、四日市給水株式会社の施設を買い受けて、本格的な上水道事業を始めた。

昭和7年3月に完成したこの水源施設は、総工事費158万円を投じて生桑水源地の改修と「生桑配水池」(毘沙門天北隣)の築造がなされ、上水の市中心部への送水基地として草創期から活躍した。

このポンプ所は、当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りで、内部には、往時を偲ぶ送水ポンプがそのまま保存されており、四日市市水道誕生の地としての歴史的価値も高い。とりわけ「みゆき配水池」(垂坂町)に送水する加圧ポンプは、現在もなお稼動中である。

平成8年(1996年)、ポンプ所建物の窓枠・外装塗装等の改修が行われ、保存措置が施された。
  また、生桑配水池は、昭和62年3月桜の木の下に遊歩道を設け市民の憩いの場として開放されている。

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    所在地  四日市市生桑町字川原崎244
   
                 構造     鉄筋コンクリート造り 吹抜1階建て

               建物面積   181.81u(55坪)(用地面積14,441

                                                      u(4,368坪))

                 
建築年月   昭和7年3月31日建築

                 建物内部     建設当時の送水ポンプ2基は、休止中であるが記念すべき                        
                                 設備として残されている。